漫画 ななか6/17 どくしょかんそうぶん

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いきさつ

 週刊少年チャンピオン連載。作者は八神健。
 なんとなく雑誌を取ったら、いい感じのマンガが載ってた。しかし設定がよく分からないので単行本を購入してみた。 もっとのほほんとしたマンガだと思ったら違った。
 一見平和に見えるその裏に、ひたひたと不安の影が忍び寄ってくるような内容だった。 気に入った。
 途中であまりにも本筋と関係ないエピソードが増えすぎて読まなくなった。 ゴールドバイカーが私にとっては致命的だった。
 ところが、第1部最終シリーズが最高の盛り上がりを見せていたことを後で知り、ついていくことにしたのであった・・・

 そんな訳で以下、書評や考察っぽいのを気取ろうとしたけどやっぱり無理だったので読書感想文ということで勘弁してください。 あ、ここではアニメ版じゃなくて原作漫画版のほうです。アニメも良かったけど。

 まさかとは思いますが、この先を読んで、すごく複雑なストーリーや前衛的レトリックで攻めるマンガマニア向けの作品なのかと 思われる方がいるかもしれません。
 
 しかし間違いなく上図のようなマンガですのでご安心ください。 まあよく言われることなのですが絵と内容のギャップは激しいです。



物語の構造

 6歳のななかは稔二に「魔法」をかけてもらったと思ってるけど、実際のところは逆で、 七華が稔二にかけた「呪い」として機能し続けた。
 幼馴染の女の子が成長するにつれ、なんか妙にキツイ性格になってきてしまった。それなのにやたらと自分にかまってくる。 思わず逆ギレしたら、幼児退行されてしまった。 しかもその奇形としか言いようのない成長を遂げた原因がどうやら幼い頃の自分にあり、 彼女の目には彼女と自分のことしか映らなくなっていたらしい。
 相手がおかしいとは言え、少なからぬ責任を感じるだろう。 この状況でどうするか。6歳児の面倒を見ようとするか、ケツまくって逃げるか。カッコイイ主人公の選択はもちろん前者だ。 ななかが元に戻るまでずっと守っていくと誓った。呪いの完成である。この呪いはとても強力で、 善人である稔二には逃げる術などない。この呪いは稔二からは絶対に解けない。 解くことができるのは七華だけだ。

 呪いがあまりにも強烈なので、稔二は、自らまともな精神活動を禁ずることになった。 それは全く自覚を伴わない無意識の抑圧である。 性欲が失われた。他の女の子が接近してきても恋愛感情を持たなくなった。責任感や罪悪感のあまり押さえ込んでしまうのである。

 ──というのはサスガに無茶な解釈ですな。つーか、こういう三角関係や四角関係の一角 (普通はハーレムの中心人物)に鈍感キャラを配置するのは、マンガ界においてラブコメを成立させるための伝統的技法であります。 まあそこらのラブコメハーレムマンガを見れば枚挙に暇が無いでしょう。
 ところが面白いことに、この鈍感さのウソが、ある日、ビシッ! と糾弾されちゃうんですよねえ。それも他ならぬ雨宮さんに。 アンタ気付いてないわけないでしょ! と。そらそーだ。しかしこの「旅行編」シリーズの直前に 稔二の鈍感(の異様さ)を強調するエピソード(虹坂さん)を持ってきたのは狙ったもんなんすかね?



最終2話前(九里子が逃げる話)の時点での感想

2ちゃんねるでの自分の発言 (該当スレ) :
やっぱみんなそうだよな。
最近の稔二にはどうにも血が通ってるように思えん。
心情を伏せたまま話を進ませてドキワク感を増す・・・ためだと思ってたが
なんだか処理しきれなくなってるだけのような気がしてきて。
まあ、全ては次号だな。次号でどう出るかだ。

ここ数週、少しずつパワーダウンしてるようで不安で・・・特に今週。
 第2部最終シリーズ(嵐山兄妹の退場から)に入ってからはおよそ少年マンガをかけ離れた手法が採られた。
 6歳ななかと17歳七華のコミュニケーションについては丁寧に描写されたと言えよう。 ところが、もう一人の主人公である稔二と、17歳七華、この二人のラインに関してはほとんど触れられることがない。 彼らがお互いのことをどう捉えどう想っているのか、そしてどう変質していったか、 そこのところはほとんど明かされることなく伏せられたまま物語だけが進行していくのである。
 このマンガの大枠が七華の成長物語である以上、確かに一番の必須項目なのは6歳ななか−17歳七華のラインであろう。 しかしながら17歳七華−稔二のラインも決して外すことはできないはずだ。 この二つのラインは車の両輪のように密接な繋がりを持ち、本来どちらかの描写を欠いたままで済まされるはずがない。

 つまるところ、これは、大胆な省略法なのである。 直截な心情描写をやめることで、安易な断定や、固定観念化による誤謬を避けたのだ。 わずかなヒントと前後の出来事から類推していくことで、 おそらくキャラクター当人達も捉え切れていないであろう心の機微を、その捉えどころのない不確定な形を保ったまま 浮かび上がらせている。「描かないことで描いた」のだ。

 そしてこの省略法はストーリーテリングの手法としても優れている。 二人の心理自体が一種のミステリーとして扱われているため、 読者は「いったいこいつらはどう思ってんだ!?」とやきもきしながら来週を待つハメになるのだ。 稔二には表情での演技を抑えさせて、容易に何を考えているのか読み取らせない。 17歳の七華は稔二・雨宮の急接近をどう思っているのか、そもそも分かっているのかさえ明かされない。 普通のマンガで真っ先に語られなきゃおかしい部分がどんどんスカされていく。 そして読者は勝手に深読みを始める。週刊連載としてのヒキの強さも一級品であった。



最終話ひとつ前(6歳ななか消滅の話)の時点での感想

 もう残り最終話しかないという状況に至り、上記の「正直ちょっと無理があるかもな〜」と思っていた 省略法という試論、これが本当に正解だったと見るしかなくなってきてしまった。
 17歳七華が稔二への執着をふりきっていったらしいことは、たぶん素直に省略法と見ていいと思うし、 またうまく効果を上げているとも言える。
 この時点での2ちゃんねるでの自分の発言抜粋 :
6歳になっている時も、17歳七華は外の様子をモニターできる。
さらに後には交換日記もつけていた。

となると、17歳七華は稔二と雨宮さんがデートしてた事も知ってる。
しかし6歳のフリしてたのがバレて17歳として話をした時にも
雨宮さんに特に辛く当たったりしなかった(ほんの少し微妙な感はあるが)。
雨宮さんが6歳七華に「なかよくしてても怒らない?」と聞いた後でさえ、
17歳七華にはまったく動揺したそぶりが見られない。

つまり17歳七華は、あの流れの中で、我々の知らない時間のうちにではあるが、
稔二への執着をふっきっていったということになる。
6歳七華の「雨宮さんのこと、ずっと忘れないよ」などの言葉は
17歳七華の気持ちの代弁にすらなっている。



しかし相変わらず稔二はよく分からんけど・・・
その場を走って逃げたりの突発的感情的行動もするくせに
その一方で表情だけが妙に硬いまま。なんかちぐはぐ。
七華への語りはいいと思った。

全てのことにケリをつけて終わるかと思ったら
そこまではいかないっぽいね。
でも本当の本当にいちばん肝心なトコはちゃんと描いてくれそうだから
もう大きな不満はないです。

 稔二が問題だ。なんせモノローグとか一切無いのだ。そのまんま最後まで通しちゃった。 たとえば「くそ、俺はいったいどうしたら・・・」「俺はいったいどう思ってるんだ?」なんて風に、 せめて「自分でもよく分かりません」ってのだけでも言ってくれたらずっと座りが良くなるんだが。 どう考えてもわざとやってるのでやっぱり省略法を狙ったんだろうけど、 稔二に関してはその手法が成功したとはとても言いがたい。 読者に伏せられていると言うより、そもそも心が無いようにしか見えんのだ。

 省略法・・・って、単に真正面から切り込むのが難しすぎて逃げただけなんじゃあ・・・という疑いが晴れない。 まあ確かに壮絶に高難度だと思うけど。それやっちゃうと必要以上にドロドロしたマンガになっちゃうしねえ。んー。
 しかしそうすると、あの朝チュンって、もしかして「このシリーズは省略法でいきます」って象徴的メッセージなのかー!?  スズメがチュンチュン言ってるのが雨宮さん家じゃなくて霧里邸なのはヒネっててよろしい。

 で、稔二は七華が大人になっていることを告げる。 それから、その場にいなかった雨宮さんから「帰れない」って言葉が出た。 ここから、あの稔二の語りかけは雨宮さんとふたりで話し合い考え合って出した結論だってことが読み取れる。 恋愛は二の次だったはずの当作品で稔二と雨宮さんをいちおうくっつけたことの意義がここに成果として出た。 これは良かった。

 とにかく残りあと1話しかないということで、もう大掛かりな大団円は望めなくなった。 前はもっとカタルシスに富んだ「グランドフィナーレ!」感のあるエンディングを予感していたんだが、 どうやら3人を中心にしたミニマムな締めくくりにしかなりそうもない。
 嵐山兄妹の回あたりから、このまま行くと神のような名作になるんじゃないか!? って、 なんでそんな予感や期待を膨らませてしまったかと言うと、あれだ、 嵐山兄妹の退場に3話もかけてたからかなあ。あいつらにあれだけ費やしたんだから、そりゃ本題に関してはみっちりやるだろうと。



最終話を読んだ時点での感想

 この時点での2ちゃんねるでの自分の発言抜粋 :
朝に読んだ時は、そりゃあもう「はあーーー!?」だった。
ここまでひっぱっといてまるで打ち切りみたいなラスト。
まさか三角関係に決着つけないとは思わなかったし。
確かにこうすることで、ここまでの稔二の変な態度との
整合性だけは取れたけど。
あーあーやっちゃったよこの作者・・・と。



夕方にもう1回読んだら、随分と合点がいった。
消えたはずの6歳ななか、彼女がこよなく愛したまじかるドミ子。
最後にステッキが光った(?)のは、6歳ななかの思いの力であり、
皆の思いの集まりであり、ドミ子の魔法であり・・・、
それでみんなが同じ時間に集まって、17歳七華の目を覚まさせた、と。
集まった皆は七華の二つのモードを知らない人も多いけど
七華は「求められているのはどっちも同じ私だ」ってことを
受け入れることができたんだと思う。



最終回直前までの稔二は表情から心情が伺えない。
お前はいったい何考えてんだ? どっちが好きなんだ?
雨宮さんとの一夜は覚悟あってのことなのか? わけわかんねー・・・
それとも・・・そこまでしてキャラの心理をミステリーにして
ストーリーテリングで引っ張る気なんだな八神健! そうなんだよな!?

と思ってたら最終回、やっぱオメー、覚悟もなんもなかったのかよ!
単なる優柔不断野郎だったんかよー・・・
あれは作者が心情を隠してたんじゃなくて、あの顔のままの心情だったんかい。

男から見てもかっこよくて好感の持てる主人公だったのになあ。
ふつうに共感できるふつうの男になっちゃった。



いちおう雨宮と稔二は「交際している」ということにはなってんでは。

雨宮さんの稔二に対する口調が変化してる。
ここでの「見てあげるよ」「知ってるよ」って、
従来なら語尾が「わ」か「わよ」だったんじゃないだろうか。
距離の近さを感じる。深読みしすぎ?



筋書きとしては完璧な最終回なんじゃないかと思えてきた。
でも描写が足りねえー。駆け足すぎ。

みんなが集まってきてからを単行本で4、5ページ増希望。
あと、みんなを集めたのもドミ子=6歳ななかの魔法だってのが
一発目ですぐに分かるようにできんかな。
俺は読解力ないんで、なんて御都合主義なんだとか思っちゃった。



七華はいったいどうなるんだ? って
まだ読者がハラハラしながら読んでるってのに
スキありー!! ドカーン
あれで雰囲気ぶちこわし。
あそこから、読者はどんな気持ちでページをめくっていいか分からなくなった。
気持ちが寸断された。連続させてほしかった。
七華が目覚める瞬間まで心配させてくれれば
あのページ数でももう少しくらい盛り上がったような気にはなったのではないか。



恋愛に関しては、単行本で一気に読むと納得いくのかもしれん。
稔二が進路に関して「そう言えば七華はどうするんだ?」
とか忘れてた時点でもう決着はついてた・・・とか。

雨宮が誘った時:まあいつまでも不安なのは無理ないか
最終回での稔二:オメーはまだ自分の気持ちがわかんねーのか?
それは近親の情にすぎんだろ、だいたい前に自分で「兄妹みたいなもん」って言ったじゃん

こういう気持ちで読んでいける可能性がある。

 と、ミニマム&コンパクトなエンディングという事前の予想に反し、キャラクター大集合&エピローグ兼用であった。 しかし・・・あまりにも駆け足すぎ・・・

 稔二に関しては、省略法というより、実は本人すら分かってない状態だったというオチであった。 というかそこまで分かってないとは思ってなかった。それじゃー雨宮さんとの一夜はなんだったんだ。 七華の呪いを裏切るという覚悟もないまま、ただ情にほだされてしまったのか。
 本人にも分からないってだけでなく、問題意識が無いっつーか、何も考えようとしてないというか・・・
 17歳(18歳?)という思春期真っ只中にあっても、 自意識との格闘を経験しないようなタイプの人間というのは確かに居るには居る。 稔二は不良として恐れられていたりとか、本来そういう傾向の人物ではないかと言われればそんな気もするが、 しかし鈍感でありながらも悩んだりもしたし第1部ラストでは号泣する姿だって見せた。 それがなんでこんなにも変わってしまったのか・・・これがオトナになったってことなんすかねえ・・・

 みんなが集まった所で七華の秘密を明かすってのもアリだったけど これはバラさなくて本当に良かった。もしそれをやっちゃうと、 自分達が知らずに17歳の七華を傷つけてきたってことで周囲の人間が苦しむ描写をまた繰り返さなきゃならない。 それは第1部から十分やったんで重複するだけ。
 それに「6歳七華のことは忘れて、これからの七華を受け入れよう」 というニュアンスを帯びかねない。それじゃあ違う。 結局は単一の人間であって、他人の霊が乗り移ってたりしたわけじゃないんだから。1個の人格の両サイドに過ぎなかったんだから。 作中で当の本人達の口から何度も言われた「どっちも同じ七華じゃねーか」ってこと。 6歳と17歳を別人格のように捉えるそのこと自体が正しくない。 余計な先入観のないクラスメイト達のほうがある意味よほど正しい捉え方をしていたとさえ言える。 以前や時々すごく嫌なやつになったのを承知の上で付き合っていたのだから。 彼女は全人格として認められていた。
 これは特に風祭の立場が大きいだろう。秘密を完全に知る者と、6歳のモードでしか会った事のない者とを繋ぐポジションにある。
 「どっちも同じ七華だ」・・・このことが理屈だけでなく、集まってきたみんなから実感させられたからこそ 七華はあそこで目覚めることができた。
 あの後でみんなに秘密を教えたかもしれない。 すると大きく落胆したヤツもいたかもしれない。でももう七華は傷つかない。 あそこからの七華なら、落胆してくれていることに感謝することさえできるだろう。

 というわけで、実はシナリオとしては完璧じゃないか!? という気さえしてます。
 最終回さえ、もう少し尺が長ければ・・・かなあ。シナリオだけ見せられてもー。

 キャラクターの暴走という意味ではやはり雨宮さんが顕著でしょうな。 登場時の悪役ぶりからどんどん「いい人」になっていったのは、一人歩きの結果ではないでしょうか。 ところがこれが、作品の本題でもなかったはずの三角関係をどんどん重くしてしまい、 物語の締めくくりを困難にしてしまったのかもしれません。
 逆にシナリオの最大の犠牲者が稔二なのかな。このマンガって一度シリアス展開が始まると 意外に作者は強権的というか恣意的であります。ストーリーの縛りを抜け出すことなんて許さん! という感じです。

 稔二が雨宮さんと結ばれることで、七華の稔二依存からの脱出、自立をはっきりした形で示す・・・ これが全キャラクターの幸せの総和が最も高くなる終わり方でもあるし、 当然そうなると確信してたのですが、その辺の決着はぼかされてしまいました。 まあ・・・たぶんあの後はそういう風にしかならないと思うのですが。



単行本、最終12巻を読んで

 印刷の良し悪しとか、紙の色って大事なんだなと思った。キャラの表情が違って見える。 若干ながらだが、稔二に魂が入ってるように見えるから不思議だ。 瞳のわずかなハイライトがくっきり見えるせい?

 最後の2話分、104話・105話だけチャンピオン残してあったので単行本と見比べてみた。 そしたら本当に表情が違ってるコマもあった。 104話の七華がぴょんぴょん跳ねてる次のコマ、連載時のと差し替えられてる。

  
 左が連載時、右が単行本版。

 連載時のはいまいち「魂がこもってない」上、ななかの退行を不気味に感じて狼狽し、引いているかのように見える。 単行本版ではもっと純粋に憐れみや悲しい気持ちを出してる。 すん〜げえ微妙だけど。
 マンガ絵のマンガ顔のくせに、あまりにも微妙! な表情付けでキャラに演技をさせる。 この作者の得意技である。 こういう渋い変更をするところなど、まさにその真骨頂と言えよう。良心的な作家だと思う。
 そのせいでキャラの顔が安定しないという気もするが・・・
 連載時には私、「しかし相変わらず稔二はよく分からんけど・・・ その場を走って逃げたりの突発的感情的行動もするくせに その一方で表情だけが妙に硬いまま。なんかちぐはぐ。」とか言ってますねえ。絵も描けんくせに偉そうな。

 そのほかにもトーンの貼り足しとか服の描き直しとか発見したけどハナシには関係なし。 あー、でも104号以前にも表情の描き直しとかあったら見比べたかったなあ。 特に稔二の顔はキモだと思うので。チャンピオン買っておけば良かった。

 この時点での2ちゃんねるでの自分の発言抜粋 :
このマンガの最大のトリックは、ふたりの七華を別人のように扱ったこと。
周囲のキャラの態度も七華が入れ替わるたびコロッと変わる。
実際にあんな人間がいても、まわりの人間はあんなふうに切り替えられないと思う。

俺は最初は違和感あったけど
「ああこのマンガじゃそうするんだな」と思ってた。
でも最後、「2個の人格というより、あくまでひとりの人間、
1個の人格の両サイドに過ぎない」ってとこに戻した。
えんえん登場人物本人達の口から出てた言葉、
「どっちも同じ七華だ」ってのを本人も周囲もやっと飲み込んだ。
別人のように捉えるそのこと自体が正しくないんだと。

あの後、七華の秘密をみんなに明かしたかもしれない。
すると大きく落胆するヤツもいたかもしれない。

>目覚めた七華に6歳のななかを重ね合わせて見る人ばかりで

むしろそれでいい。もう七華は傷つかない。
そのことを喜び、感謝することさえできるはず。


 あとオマケ4コマですが・・・よく言われる雨宮が綾波に似てるっての、聞くたびに「はあ? どこがア?」と思ってた私ですが、 正直、7歳のキミは・・・
 彼女の髪の内ハネは連載が進むにつれて強くなっていったのでありました。



そんでもって

 ・生きられなかったもう一人の自分、シャドウ、超自我、・・・よく知りもせんような心理学用語で語ってみたくもなる当作品ですが、 このマンガのエライのは、そういう難しい言葉を一切使わずにテーマを描き切ったところにもあると思います。 せいぜい「存在意義」とかのレベル止まりで。

 ・古めかしいほどのマンガマンガした展開を使うことで、七華の特異さを浮き上がらせ、 あるいはちょっと設定に無理のあるところ(クラスメイトが七華のことを途中からあまり不自然に思わなくなった点とか)を 覆い隠したりしてます。

 ・エロに対する照れ、忌避が感じられます。なんか徹底して・・・七華の半ケツとかどうしてそんな線がまっすぐなんかと。 パンチラとか皆無です。ただし1話だけ徹底して下着姿ばかりの回がありましたが、 それにしたってちっともエロいように描いてません。